高齢者が要介護の状態になるのを予防するためには、その前のフレイルの状態になっているかどうかをチェックすることが必要不可欠です。
フレイルというのは、健常な状態から要介護への移行期のことを言います。
一見するとこれまでとあまり変わらないように見える場合が多いため、その見極めは必ずしも簡単ではありません。
一般的にフレイルのチェックには、体重、握力、疲労感、歩行速度、身体活動などの項目が用いられるケースが多いです。
まず、体重については、過去6か月の間に2キロから3キロほど減少が見られる場合には、要注意です。
次に、握力については、男性であれば26キロ、女性であれば18キロ以上あれば問題ありませんが、これを下回ってくると筋力が低下しているおそれがあるためフレイルを疑う必要があります。
疲労感については、明確な定量的な基準はありませんが、何もしていないのに疲れを感じるような状態が長く続くようであれば気を付けた方が良いでしょう。
さらに、健常な人の歩行速度は秒速1メートルほどであると言われています。
多少遅いくらいであれば大丈夫ですが、大幅に歩くスピードが落ちてきている場合には注意しなければなりません。
最後の身体活動は疲労感と同じく定性的な基準です。
軽い運動や体操、または定期的な運動やスポーツをしているかどうかを尋ねて、いずれも答えがノーであれば、運動機能の低下につながる生活習慣に陥っているかもしれません。
これらの点に注意しながら、フレイルの予防に努めましょう。